おすすめしたスタッフ:ツボウチ
字のないはがき
作:向田邦子
文:角田 光代
絵:西加奈子
出版社:小学館
むかし、にほんが戦争をしていたころのこと。
戦いがはげしくなってちいさな妹がそかいすることになりました。
お父さんはまだちゃんと字を書けない妹に
「元気なときは大きな○を書くように」と、
送り先の住所を書いた たくさんのはがきを渡しました。
えんそくにでもいくようにうれしそうに出発した妹。
でも、大きな○がついたはがきは、すぐに小さな○になり、
やがて×になってしまいます…
脚本家、エッセイスト、直木賞作家の
故・向田邦子さんのほんとうにあったおはなしです。
せんそうをしらないちいさいひとにもぜひ読んでほしい一冊です。
<作者紹介>
●原作 向田邦子(むこうだくにこ)
1929(昭和4)年、東京生れ。実践女子専門学校(現実践女子大学)卒。人気TV番組「寺内貫太郎一家」「阿修羅のごとく」など数多くの脚本を執筆する。1980年『思い出トランプ』に収録の「花の名前」他2作で直木賞受賞。著書に『父の詫び状』『男どき女どき』など。1981年8月22日、台湾旅行中、飛行機事故で死去。
●文 角田 光代(かくたみつよ)
1967年神奈川県生まれ。作家。90年『幸福な遊戯』(角川書店)で海燕新人文学賞を受賞しデビュー。96年『まどろむ夜のUFO』(幻冬舎)で野間文芸新人賞、05年『対岸の彼女』(文藝春秋)で直木賞、07年『八日目の蝉』(中央公論新社)で中央口論文芸賞を受賞。ほか受賞・著書多数。絵本の翻訳に『ヤコブと七人の悪党』(集英社)、『だいすき。』『ぼくは こころ』(学研)などがある。
●西加奈子(にしかなこ)
小説家。カイロ・大阪育ち。2004年「あおい」でデビュー。2013年「ふくわらい」で第1回河合隼雄物語賞、2015年「サラバ!」で第152回直木賞を受賞。他の著作に「きいろいゾウ」「しずく」などがある。東京在住。