おすすめしたスタッフ:ハマノ
作:片山 健
出版社:復刊ドットコム
そよそよと風が気持ちのよい日、近所の公園ですーくんはお父さんにいいました。
「ねえ おとうさん きに なって」
木になったお父さんは、何をいっても
(きは なんにも いわないの)
と、声にださずにいうばかり。
すーくんが木をのぼりおりしても、自然の小さな出来事がとおりすぎても、木のねもとで女の子がうたをうたっていても
(きは なんいも いわないの)
と、そう、しずかに大胆に。
お父さんの遊びごころ。世界にふれるすーくんをだまって見守るやさしさが、木漏れ日のようにふりそそぎます。
<作者紹介>
●片山 健
1940年、東京都に生まれる。「タンゲくん」で講談社出版文化賞絵本賞を、「でんでんだいこのいのち」で小学館児童出版文化賞を受賞。絵本に「おやすみなさいコッコさん」「たのしいふゆごもり」、画集に「美しい日々」、エッセイ集に「わたしの遠足日記」などがある。