おすすめしたスタッフ:カスカワ
おじいさんのハーモニカ
作:ヘレン・V・グリフィス
絵:ジェームズ・スティーブンソン
訳:今村 葦子
出版社:あすなろ書房
ジョージア州にある小さな家に、おじいさんがひとり住んでいました。
ある年、孫娘とひと夏をともに暮らすことになり、
静かでやさしい、穏やかな時間を二人で過ごしました。
夕方になると、おじいさんはコオロギやバッタのために…と
ハーモニカを吹きました。女の子もいっしょに、
たくさんの歌を歌いました。
やがて、夏が終わり、女の子は「来年の夏、また…」と帰っていきま
した。
でも、次の夏、おじいさんは体調を崩し、ジョージアを離れ、
孫娘の暮らすボルチモアへ移ることに。
すっかり元気をなくしてしまったおじいさんのために、
女の子はハーモニカを吹きます。
二人で過ごしたジョージアの夏のしらべを…
ページ毎の挿絵が、まるで絵はがきのようで、
柔らかな物語をふわっとやさしく包み込んでくれています。
<作者紹介>
●ヘレン・V・グリフィス
アメリカ東部のデラウエア州に育ち、いまも同州のウィルミントンに在住。作品としては、こどものための小説「アレックスと猫」が有名。家業の建築業に励み、バードウォッチングに熱中するかたわら、余暇に執筆。
●ジェイムズ・スティーブンソン
アメリカの雑誌「ニューヨーカー」をとおして、彼の絵は多く知られている。絵を描くと同時に、自分自身でもたくさんの本を執筆。
●今村葦子(いまむらあしこ)
熊本県に生まれる。児童文学作家。「ふたつの家のちえ子」で野間児童文芸推奨作品賞、坪田譲治文学賞、芸術選奨文部大臣新人賞を受賞。絵本から長編まで作品多数。