おすすめしたスタッフ:キクチ
かぜがおうちをみつけるまで
作:ボブ・サム
絵:下田昌克
訳:谷川 俊太郎
出版社:スイッチ・パブリッシング
どんなものにもこころがあった、おおむかし。
かぜにも、こころがあった。
ちいさな吐息が大きくて冷たい風となり、
氷河時代を迎える。
だれからも嫌われる、こおりつく寒い風が行き着いたのは…
作者のあとがきの結びの言葉は、孤独な心を救います。
「この世界はすべての生きとし生けるものが分かち合う<おうち>なのだ。」
語られる美しい文章の魅力もさることながら、
風のように波のように心を揺さぶる、激しい絵にも注目してください。
<作者紹介>
●ボブ・サム
1953年アラスカのシトカに生まれる。先住民族クリンギットの語り部。クリンギット族に伝わる神話の継承を古老たちより託され、アラスカのみならず欧米各地でストーリーテリングをおこなっている。写真家・星野道夫の盟友で、星野のエッセイにたびたび登場する。