
おすすめしたスタッフ:キクチ
梨の子ペリーナ イタリアのむかしばなし
作:イタロ・カルヴィーノ
絵:酒井 駒子
訳:関口 英子
出版社:BL出版
酒井駒子さんの繊細で幻想的な絵の美しさもさることながら、
イタリアの人々が語り継いできたストーリーもとても豊かな1冊。
お話は、聡明で心優しい女の子が主人公の、イタリアの民話です。
梨の子ペリーナは父や王様から理不尽な扱いも受けますが、
あたたかい心をなくさずに、他者の苦しみを解放しながら試練を乗り越えていきます。
途中に出てくる「血の川」や、髪をむしる「かまどの女」は少々不気味ですが、
日本の民話にはあまり見られない、ロマンティックなラストも魅力的。
イタリアでは果物の化身はいずれも女の子なのだそうですよ。
●イタロ・カルヴィーノ
1923年、キューバ生まれ。現代イタリアを代表する作家。著書に『まっぷたつの子爵』『イタリア民話集』(岩波書店)『木のぼり男爵』『不在の騎士』(白水社)、子ども向けの作品に『マルコヴァルドさんの四季』『みどりの小鳥−イタリア民話選』(岩波書店)など。1985年没。