おすすめしたスタッフ:キクチ
作:田島 征三
出版社:童心社
表と裏、2つの表紙がある絵本です。
「ゴミをぽいぽい」では、悪気なくどんどんゴミを捨て、
そのゴミの行き先も知らぬ人間たちが描かれています。
ゴミは灰になり、灰は山に捨てられ、山から毒の水が滲み出て流れていく。
「やまからにげてきた」では、たすけて!と叫びながら
山から逃げていくいきものたちが描かれます。
原因と結果が直結し、どちらから読んでも行き着くのは、
救われることなく、目をそらしてはいけない現実。
巧みな構成と激しいタッチには、子どもも大人も心が揺さぶられます。
<作者紹介>
●田島 征三
1940年、大阪府生まれ。幼少期を高知県で過ごす。多摩美術大学図案科卒業。大学在学中に手刷り絵本『しばてん』(1971年に改作し、偕成社より出版)を制作。 1969年より東京都西多摩郡日の出町で農耕生活を営みながら絵画や版画、絵本を制作。1988年、伊豆半島に移住する。絵本に『とべバッタ』『ふきまんぶく』(偕成社)、『ガオ』『おじぞうさん』(福音館書店)、『いろいろあっても あるきつづける』(光村教育図書)など多数。エッセイ集に『絵の中のぼくの村』(くもん出版)などがある。 国内外での受賞多数。日本を代表する絵本作家として精力的な活動をつづけている。