ふしぎな月

空にまあるい ふしぎな月がのぼりました。

山のはに 顔を出した月は、光を林の中になげかけます。

月の光は、野原にも広がっていきます。

海原もしずかに照らします。

町をつつみ、窓から家の中にも流れ込んでいきます。

ふしぎな月は、遠い国の空にものぼりました。

サバンナの夜空にも、ジャングルの夜空にも、戦場の夜空にも…

どんな場所にもそっと光を投げかける月。

そんなふしぎな月の光を、絵本の中で感じてみませんか？

＜作者紹介＞

●富安陽子

1959年、東京都に生まれる。児童文学作家。「クヌギ林のザワザワ荘」で日本児童文学者協会新人賞、小学館文学賞受賞。「小さなスズナ姫」シリーズで新見南吉児童文学賞を受賞、「空へつづく神話」でサンケイ児童出版文化賞受賞、「やまんば山のモッコたち」がⅠＢＢＹオナーリスト2002文学賞に、「盆まねき」で野間児童文芸賞を受賞。「ムジナ探偵局」シリーズ、「シノダ！」シリーズ、「内科・オバケ科ホオズキ医院」シリーズ、「菜の子ちゃん」シリーズ、「やまんばあさん」シリーズ、「妖怪一家九十九さん」シリーズ、絵本作品に「オニのサラリーマン」シリーズ、第52回講談社絵本賞を受賞した「さくらの谷」などがある。

●吉田尚令

1971年、大阪府に生まれる。絵本画家。絵本「希望の牧場」でJBBÝ賞受賞。ほかの絵本作品に「悪い本」「わたしおべんきょうするの」「星に伝えて」「漢字はうたう」「はるとあき」「島箱先生とフゥねずみ」「しかくいまち」「アリィはおとどけやさん」、挿絵作品に「雨ふる本屋」シリーズなどがある。